負け組かと思ったら,組ではなくて一人で負けてるだけだった

自分がどうしようもなく無能だという話


ここ数年は自然科学,特に理学をやりたいと思っていた.
自然現象を観察して新たな原理を発見することに憧れがあるからだ,
だから,理学部への入学を目指していた.
結局,理学部へは入れず,理学部もどきのような学部に入学し,理学部を弱くしたような内容を学んでいる.
線形代数解析力学,物理化学,…理学部で学ぶような基礎論の授業は一応あるが,どれもそこまで詳しくやるわけではない.
とはいえ,そんな評価をしている自分は授業内容を良く理解できたわけでもなく,痛々しくはある.
授業だけでは将来のために十分な知識がつかないと思い,独学でやってはいるが,うまくいっていない.

そして,近頃,自分は工学のほうが向いているのではないかと思うになった.
ある目的を達成するための仕組みを考えたり,何らかの原理を学んで応用したりすることは得意だと思うからだ.
中でも電子工学や情報工学には興味があり,得意であるという意識があった.
義務教育時代はプログラマを目指してCなどを書いたり,簡単なアナログ回路を作ったりZ80マイコンを弄っていたこともある.

しかし,大学に入り,専門的な知識をつけた他の学生には到底敵わない.
自分がArch Linuxをインストールしたり,競プロの練習問題を解いたりしているうちに,同級生はOSを自作したり,情報系のコンテストで賞を取ったりしている.
twitterを見れば,CPUやパワー回路を自作しているような高校生や大学生がうじゃうじゃいる.

自分は自分も専攻する分野においても何も誇れるものはない.
自分が大学に一年遅れて入学し,授業内容の暗記に終始している間に,
現役で入学した同専攻の一学年上の学生は,理数系の専門書を何冊も読破し,院試程度の問題を苦もなく解き,卒業研究を進めている.

自分はこれからどうしていけばいいのだろう.
自分は理学も工学も好きだ.
しかし,「好きこそものの上手なれ」は自分には当てはまらない.
ただの「下手の横好き」だ.

理学研究に必要な知識はうまく身に付けられず,研究の素養はなさそうだ.
工学研究に必要な学びにおいては周りと埋められない程の差がついていて,そのうえ工学でも使うだろう理学の知識は先に書いたとおりだ.

そもそも自分は理学が好きなんだろうか?
自然への純粋な興味はなく,理学に関わっている自分が好きなだけなんじゃないか?
知識や計算能力をひけらかしたいだけでは? (そのどちらもない
工学もそうだ.機械や回路,コンピュータを弄って自慢したいだけなんじゃないか? (うまく弄れない

今まで何度もこういうことを考える機会があって,そのたびに,とりあえず勉強をしておけば救われると思ってきた.
でも結局,勉強したわけではなかった.
東大に入れば進振りまでこのようなことを考えるのを先延ばしにして視野を広げてから考え直せそうだと思ったが,勉強不足で不合格だった.
そこで反省せず,漫然と2年間を過ごしてしまった.

結局自業自得だ.因果応報とはこのことだ.
勉強すれば救われる保証はないが,そもそも勉強しなければ救われない.

少し話が逸れたかもしれない.
とりあえず,自分の将来は暗い.
どうすればいいんだ.
こう言っている間にもとりあえず勉強するべきなんだろう.
それは十分条件ではないが,必要条件だ.
何が十分条件かはわからないが,怠惰で無能な自分を戒めながら,必要条件を遅れに遅れて集めていくしかないんだ.